ピラティスとは
ピラティスの定義
体の深層部にあるインナーマッスルを鍛え、全体のバランスを整えることで、背筋が伸びた姿勢や理想的な体づくりを行い健康へ導きます。
ヨガとピラティスの違い
ヨガ→精神を安定し不安定なマインドをリセットすることに期待でき、腹式呼吸をしながらポーズを取ります。
ピラティス→姿勢や身体機能の改善に期待でき、胸式呼吸で身体を活発化させます。体幹を安定させる、インナーマッスルを使った動きを取り、マットやマシンがあります。
ピラティスの創始者 – ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス
幼少期と病弱な体
ジョセフ・ピラティス氏は幼い頃、呼吸器系が病弱でしたが、コンプレックスを克服するために、自らの身体を鍛えて日々実践してきた運動が原点です。
第一次世界大戦とピラティスメソッドのはじまり
ピラティスとは、ドイツ人のジョセフ・ピラティス氏によって100年ほど前につくられました。第一次世界大戦の負傷兵のリハビリとして行われていたのが始まりで、寝たままで運動できるようにベッドを改造したものがピラティスマシンの原型です。
ドイツとアメリカにおけるピラティスの成長
ドイツでのリハビリ研究と指導
ジョセフ・ピラティス氏は、自身のエクササイズを怪我した仲間のために、リハビリにできないかと研究を重ねました。エクササイズの改良と考案に取り組み、指導をしたことがピラティスの始まりです。
アメリカに渡り、ニューヨークでスタジオ開設
1923年にアメリカへ渡り、マンハッタンでピラティススタジオを開設しピラティスメソッドが広まっていきました。
クララ・ピラティスと直弟子たち
ドイツから、アメリカに向かう船上で妻となるクララと出会います。ジョセフ・ピラティス氏が86歳で亡くなるまで一握りの弟子しか指導はしませんでしたが、その後弟子たちは、独立し多くの後継者を育成しました。
ピラティスの理念 – コントロロジー
身体、筋肉、動きの研究から生まれた独自のエクササイズ
コントロロジー=身体が猫のようにしなやかな動きで、筋肉と靭帯を柔軟に使い伸ばすこと。とジョセフ・ピラティス氏は述べています。自分の身体を思った通りにコントロールできることが理想です。
呼吸と健康を重視した実践方法
息を吐く時は、力強く肺から全ての息を吐きだすように吐きます。吐き切ることで深く吸い込むことができる呼気と吸気が大切です。
ピラティスと他の運動との違い
エクササイズ、筋トレ、トレーニングとの相違点
ピラティス
ピラティスは、呼吸を意識しながら行う有酸素運動が中心で、インナーマッスルを主に鍛えます。インナーマッスルは、身体の深層部にあるため普段意識して動かすことは難しいです。身体の姿勢の維持や内臓を正しい位置へと戻すことができます。
筋トレ・トレーニング
筋トレやトレーニングは、呼吸を止めて行う無酸素運動が中心で、アウターマッスルを主に鍛えます。アウターマッスルは、筋肉の表面部にあり普段意識して動かしている筋肉です。筋肉の肥大や筋力向上になります。
ジョセフ・ピラティスの死後のピラティスの普及
エルダーと呼ばれる指導者たちの存在
ジョセフ・ピラティス氏から直接指導を受けたティーチャーを「エルダー」と言い4名が任命されました。その後、ジョセフ・ピラティス氏の元で修行をしてきた指導者4名がエルダーに加えて、第一世代ピラティス・ティーチャーと呼ばれます。
世界各国のピラティス団体と認定者
ピラティスにも、流派がありいくつか紹介していきます。
- BASHIピラティス アメリカ・カリフォルニアに創設した教育団体で、流れるような無駄のない動きが特徴です。
- STOTTピラティス カナダ・トロントに創設した教育団体で、一つ一つのエクササイズに対して各人に合ったカスタムがしやすいことが特徴です。
- FTPピラティス イギリス・ロンドンに創設した教育団体で、様々なエクササイズの融合体で広くピラティスを学べます。
- PHIピラティス 米国拠点の教育団体で、姿勢矯正や腰痛や肩こりなど身体の活性化を目指すことが特徴です。
現代のピラティスの種類
マットピラティス
マットピラティスは、マットの上で行い自身の体の重さを使い流れるように行うエクササイズです。基本的なマットエクササイズは、34種類でやり方や難易度を上げることで、バリエーションを増やすことができます。
イクイップメントピラティス
イクイップメントとは、ピラティス専用マシンでいくつか紹介していきます。
- リフォーマー:身体をリフォームしてくれる代表的なマシンで、バネを使い身体に過度な負荷をかけずに鍛えることができます。
- キャデラック:リフォーマーよりも安定感のあるベッドのようなもので、全身を使えて初心者でも行いやすいです。
- チェア:椅子のような座面にペダルがついています。日常生活動作に近い、座るや立つなどの動作で体幹部や全身を効率よく鍛えられます。
日本におけるピラティスの普及と今後の展開
日本初のスタジオ開設の経緯
2019年12月にCLUBピラティスが日本1号店を恵比寿ガーデンプレイスにオープンしました。開設の経緯として、日本は少子高齢化が急速に進んでおり、健康寿命を伸ばし日本の生活を向上させることです。
歴史や運動との融合によるピラティスの発展と将来性
現在のピラティスのイメージは、「美を高めるため」という印象に感じます。ピラティスは、美を高めるために有効なエクササイズですが、今後はリハビリや介護予防などに幅広く広まっていくと思います。